真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER、通称メガテン3リマスターが2020年にPS4とSwitchで発売されてから5年近く経過した今も、「ひどい」「炎上した」との声が絶えない。
PS2の名作が現代機で蘇ったはずが、操作のモッサリ感や未完成ぶりに失望したユーザーが続出。
Steam版リリースでさらに不満が爆発した。
一方で、プレスターンバトルや悪魔合体システムの神がかり的な面白さは今も健在だ。
この記事では、リマスターの全貌を詳細に分析し、「ひどい」ポイントを深掘り。原作ファンから新規層まで、買うべきか否かを明確に判断できる情報を網羅する。パッチ適用後の現状も含め、2025年現在の評価を総まとめである。
真・女神転生III NOCTURNEは、2003年にPS2で発売されたアトラスRPGの金字塔である。シリーズ第3作として、前作から9年のブランクを埋め、世界観を一新。東京が「東京受胎」と呼ばれる大災害で壊滅し、主人公が悪魔化して新世界を創造する物語が展開する。プレスターンバトルシステムが初登場し、後のペルソナシリーズに多大な影響を与えた。
発売当初はマニアクス版やクロニクルエディションなどの完全版が続き、DMCのダンテがゲスト参戦するなど話題を呼んだ。累計販売本数は100万本超えのロングセラーとなり、メガテンシリーズの最高峰として君臨。神話・宗教・悪魔をモチーフにした深い世界観と、容赦ない難易度がコアゲーマーを魅了したのである。
原作の核心は、プレスターンバトルシステムだ。行動順がコマンド入力前に確定し、弱点を突くと追加行動が発生する緊張感あふれる戦闘。雑魚戦すら一瞬の判断ミスで全滅するスリルがクセになる。悪魔合体で数百種の悪魔を自由にカスタムし、スキルを継承するやり込み要素も無限大である。
ストーリーは哲学的で、ルシファーやメシアとの対峙が人類の業を問う。BGMの荘厳さとダークなアートが没入感を高め、クリア後も繰り返しプレイしたくなる設計だ。PS2エンドユーザーには神ゲーだが、現代のライト層には「ひどく厳しい」印象を与えるのも事実である。
無印発売後、2003年12月にマニアクス版が登場。新ダンジョン「アマラ深界」やルート分岐を追加し、難易度HARDモードを実装。2004年のクロニクルエディションでは、ダンテがライドウに置き換わり、日本市場向けに調整された。これらの完全版が原作の完成形となり、リマスターのベースとなっている。リマスターではこれらをDLCで再現可能だが、それが「ひどい」との批判を呼んだのである。
2020年10月29日、PS4/Switchでリリース。2021年にSteam版追加。ベースはマニアクスクロニクルで、グラフィック向上、ボイス追加、Merciless難易度(超簡単モード)を新設。価格は通常版約6000円と高めで、DLC(マニアクスモード、ダンテ)は別売りである。
HDリマスターにより解像度向上とテクスチャ強化が施された。悪魔デザインは鮮明になり、背景の陰影も改善。しかし、3Dダンジョンのポリゴン粗さや8方向移動のカクカク感は残存。アナログ入力がスナップ気味で、現代RPGの滑らかさに劣る。Steam版ではMODで改善可能だが、コンソール版はパッチ頼みだ。
最大の「ひどい」ポイントは操作の遅延だ。メニュー開閉、悪魔合体、セーブ時に1秒以上のラグが発生。PS2版より劣化し、Unityエンジンの最適化不足が原因とされる。発売直後SNSで炎上し、パッチで改善されたが完全解決せず。カメラワークの悪さと頻繁なランダムエンカウンターで探索が苦痛である。
原作ストーリーはほぼそのまま。東京壊滅後の半悪魔主人公が、新世界のビジョンを選ぶ哲学劇。分岐が豊富でリプレイ性が高い。
主要キャラにフルボイス追加(日本語/英語)。杉田智和(主人公)や子安武人(ルシファー)らの熱演が好評だが、セリフの含みや間が原作と異なり「ひどい」との声。メインストーリー限定で、サイドは無音。ボイスオフオプションはあるが、デフォルトオンが不満の種である。
完全版DLC(約1000円)が必須級。マニアクスモードなしでは物足りない。
新難易度Merciless(超簡単)は敵が弱く、連打でクリア可能。HARDは原作準拠で鬼畜。手動スキル継承追加で合体が楽に。しかし、序盤の即死トラップやボス戦の運ゲー要素は健在。新規層には優しいが、原作勢には「ぬるい」と二極化。
BGMは名曲揃い(「ルシファー戦」など)。リマスターでクリア音質化されたが、問題多発。
オーケストラ風アレンジが追加可能だが、基本は原曲リマスター。Steam/PS4初期版で音質低下(圧縮)が指摘され、MOD必須に。Switch版は軽快だが、低音不足。パッチで改善されたが、完全版未達である。
発売時バグ祭り:エンカウンター表示不具合、Demi-fiend解雇クラッシュ。パッチ連発で安定したが、Steam版は60fps未対応、ロード長め。Switch携帯モードでフレーム低下が目立つ。
3Dダンジョンは迷宮的で地図作成が醍醐味だが、廊下連発で単調。
隠しダンジョンはやり込みの極みだが、頻繁なエンカウンター(5歩ごとに戦闘)とハシゴ/アスレチックが地味。地図に未反映で挫折者続出。現代RPGのシームレス探索に慣れた層には「ひどい」。
Metacriticスコア80前後だが、ユーザー評価は分かれる。発売時炎上ツイート多数。
2021年5月Steamリリースで再炎上。60fps未対応、バグ残存、コントローラー認識不良。価格高めで「P3Pより劣る」と酷評。
問題点 |
詳細 |
解決法 |
|---|---|---|
60fps |
30fps固定でカクカク |
MOD導入 |
音質 |
圧縮劣化 |
OST MOD |
バグ |
エンカウンター表示ミス |
パッチ/MOD |
操作 |
入力遅延 |
設定調整 |
公式パッチ不足でMODコミュニティ依存。コンソール勢は羨ましい限りである。
原作の輝きは不滅だが、リマスタークオリティはC級。パッチ後でプレイ推奨。
| 項目 | 評価(5点満点) | コメント |
|---|---|---|
| グラフィック | 3.5 | HD化効いてるが古さ目立つ |
| ストーリー | 5 | 哲学的傑作 |
| バトル | 5 | プレスターン神 |
| 操作/パフォーマンス | 2 | モッサリひどい |
| 総合 | 3.5 | 名作だがリマスター失敗 |
原作ファン4点、新規2.5点。セール待ち必須。
ほぼ同一。分岐/エンドは完全再現。ボイス追加が違い。
Mercilessで簡単。HARDは地獄。
マニアクス/ダンテ欲しいなら有料。基本は不要。
Switch安定。SteamはMODで上回る。
セールで。パッチ済みならアリ。
リマスターは手抜き感満載で「ひどい」との評価は妥当。操作劣化、DLC商法、パフォーマンス問題が足を引っ張る。しかし、プレスターンバトルとストーリーの深みは2025年でも通用。原作愛があれば楽しめるが、新規はVから入るべし。メガテンシリーズの未来に期待である。
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