2023年に発売され、長年のファンから大きな注目を集めた『ONE PIECE ODYSSEY(ワンピース オデッセイ)』。「ONE PIECE」の壮大な世界観を忠実に再現したRPGとして期待されましたが、「つまらない」「買って後悔した」といった厳しい意見を目にすることもあります。
『ワンピース オデッセイ』は、尾田栄一郎先生が描く「ONE PIECE」の世界を舞台にしたコマンド選択式のターン制RPGです。開発はJRPGの制作に定評のあるILCAが担当しています。
本作の最大の魅力は、ルフィたち麦わらの一味が嵐に遭遇し、謎の島「ワフド」に漂着するというオリジナルストーリーを楽しみながら、失われた記憶を取り戻すために過去の冒険の舞台を巡ることです。プレイヤーはルフィだけでなく、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックの麦わらの一味全員を操作し、それぞれの能力を活かしながら広大なフィールドを探索します。
最も気になる「つまらない」という評価について、その背景にある主な要因を分析します。結論から言うと、この意見は主に「ゲームシステムの革新性のなさ」と「ストーリーの構造」に起因しています。
本作の戦闘は「スクランブルバトル」というシステムを採用しており、複数のエリアに分断された敵に対して、どのキャラクターを配置して戦うかという戦略要素があります。しかし、敵の弱点を突く属性(力・技・速)が固定されており、中盤以降は属性の相性を確認して攻撃を繰り返すというパターン化が進んでしまいます。
本作は、過去の記憶の世界「メモリア」を冒険する形をとっているため、「アラバスタ編」や「ドレスローザ編」といった過去の物語を再体験する部分が大部分を占めます。ファンにとっては嬉しい要素ですが、「新たな物語」を期待していた人や、原作を深く知らない人にとっては、話の腰を折られるような感覚を覚えることがあります。
過去編の導入と離脱がやや強引で、特に序盤はオリジナルキャラの「リム」の能力の都合でストーリーが動くため、麦わらの一味が主体的に動いている感覚が薄いという指摘もあります。
発売から時間が経過し、中古市場での価格は徐々に落ち着いています。中古価格の動向は、作品の人気や需要を測る一つの指標となります。
発売当初は定価(PS5版/PS4版で$9,680税込)で取引されていましたが、数ヶ月後には早くも中古市場に出回り始め、現在では新品の約半額程度で購入できるケースが増えてきました。
プラットフォーム | 新品定価(目安) | 現在の中古価格帯(目安) |
PlayStation 5 | $9,680 | $4,000〜$5,500 |
PlayStation 4 | $9,680 | $3,500〜$5,000 |
Nintendo Switch | $9,680 | $4,500〜$6,000 |
『ワンピース オデッセイ』のストーリーは、大きく分けて「オリジナル展開」と「メモリア(過去編)展開」の二部構成になっています。この構造こそが、評価を分ける最大の要因となりました。
物語は、麦わらの一味が巨大な嵐に飲み込まれ、謎に包まれた自然豊かな島「ワフド」に漂着するところから始まります。ここで出会うオリジナルキャラクターの「リム」の能力によって、一味は能力やアイテムを封じられてしまい、弱体化した状態で冒険を進めることになります。
この「封じられた力」を取り戻すために、彼らは自らの「失われた記憶」の中へと飛び込みます。これが「メモリア」編への導入となります。
メモリア編で描かれるのは、「アラバスタ編」「ウォーターセブン編」「マリンフォード編」「ドレスローザ編」などの名エピソードです。しかし、ただの追体験ではありません。記憶の世界であるため、設定が一部改変されており、原作では実現しなかった夢のバトルやif展開を楽しむことができます。
例えば、アラバスタではクロコダイルと戦った後に、ルフィが初めて「ギア」を披露するシーンなど、原作ファンが「もしあの時、別の展開だったら?」と妄想していたような展開が盛り込まれています。
客観的な評価を知るために、海外の批評サイト「メタスコア」や国内ユーザーの評価を見てみましょう。
『ワンピース オデッセイ』のメタスコアは、プラットフォームによって多少前後しますが、概ね70点台前半に落ち着いています。これは「良作」と「凡作」の間に位置するスコアであり、「熱狂的な傑作ではないが、十分に楽しめる作品」という評価です。
ユーザーレビューでは、メタスコアよりも評価が分かれる傾向にあります。特に「ONE PIECE」ファンか否かで評価が大きく異なります。
原作を読み返したくなるくらい、キャラクターの動きやセリフが再現されていて大満足!ゲームとして多少単調でも、ファンなら買って損はないと思う。
RPGとして、どれくらいの時間でクリアできるのか、そしてその後のやり込み要素は十分にあるのかは重要なポイントです。
『ワンピース オデッセイ』のメインストーリーをクリアするのに必要な時間は、プレイヤーの進め方や難易度にもよりますが、おおよそ以下の通りです。
プレイスタイル | クリア時間(目安) |
ストーリー重視(駆け足) | 約30時間〜35時間 |
通常プレイ(サブクエ含め) | 約40時間〜50時間 |
メインストーリーをクリアした後にも、プレイヤーを飽きさせないための様々なやり込み要素が用意されています。
特に、「ジェイルアイランド」と呼ばれるクリア後専用のダンジョンは、難易度が高く、クリア後のプレイヤーを試す設計になっているため、「もっとバトルを楽しみたい」というゲーマーの要求にも応えています。
原作の最新展開において、ルフィの新たな姿である「ギア5(ニカ)」は最も注目される要素の一つです。『ワンピース オデッセイ』が発売された時点では原作で既に登場していましたが、ゲーム内でその能力がどのように扱われているのかは、多くのファンが気にする点でした。
結論から言うと、ルフィの「ニカ(ギア5)」は、ゲーム内では直接的には登場しません。これは、本編のストーリーが原作の「ワノ国編」に追いつく前の時系列で展開されていること、そしてゲームのテーマが「失われた記憶」にあるためです。
ただし、ルフィの最終的な成長の片鱗や、それに繋がるような熱い展開は描かれます。原作の最新要素を期待していた人にとっては残念かもしれませんが、ストーリー全体の一貫性を保つための判断だと理解できます。
本作では「dic」というキーワードで検索されることもありますが、これは**DLC(Downloadable Content)**を指している可能性が高いです。『ワンピース オデッセイ』では、本編クリア後に楽しめる有料の追加コンテンツが配信されています。
主要なDLCとして「再会の刻」があります。これは本編クリア後の物語を描いた追加エピソードであり、ルフィたちとは別の切り口で、過去の記憶の世界や、オリジナルキャラクターのリムに関する更なる謎を解き明かす内容になっています。
本編で物足りなさを感じたファンは、このDLCをプレイすることで、より濃密なストーリーと高難易度のバトルを楽しむことができます。
ここまで『ワンピース オデッセイ』を多角的に分析してきました。最後に、あなたがこのゲームを買うべきかどうかを判断するためのまとめをお届けします。
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