2023年1月に発売され、瞬く間に話題をさらった任天堂Switchの超大作シミュレーションRPG、『ファイアーエムブレム エンゲージ(FEエンゲージ)』。
特に前作『風花雪月』が革新的なストーリーと育成システムで大ヒットしたこともあり、「エンゲージは期待外れだった」「風花雪月の方が圧倒的に面白い」と感じるユーザーも少なくありません。
本記事は、そうした否定的な意見に焦点を当て、「FEエンゲージ」が具体的にどういった理由で「つまらない」「ひどい」と評価されているのかを、徹底的に深掘りします。ストーリー、キャラクター、システムなど、あらゆる側面から辛口レビューを行いますので、購入を迷っている方、プレイ中だけどモヤモヤしている方はぜひ参考にしてください。
まず最初に、なぜ「ファイアーエムブレム エンゲージ つまらない」という意見が出てくるのか、その背景を探りましょう。
FEエンゲージに対する否定的な意見の多くは、「前作『風花雪月』とのギャップ」から生まれています。風花雪月は、重厚な世界観、複雑な人間関係、そして生徒たちの成長を見守る学園生活パートが特徴でした。これにより、従来のFEファンだけでなく、ライト層や女性ファンも獲得し、シリーズ最大のヒット作となりました。
一方、『エンゲージ』は、シリーズ30周年記念作品という側面もあり、「紋章士(過去作の主人公)」を召喚するというファンサービス的な要素と、原点回帰を目指したシンプルな戦闘システムが特徴です。しかし、この「シンプルさ」が、風花雪月の複雑な物語とキャラクターの深さを期待していた層にとって、物足りなさや「幼稚さ」を感じさせる原因となってしまったのです。
特に「つまらない」と感じる人が指摘する主なポイントは以下の3点に集約されます。
もちろん、これはあくまで一部の意見であり、戦闘システムやBGM、グラフィックを高く評価する声も圧倒的に多いことを忘れてはいけません。しかし、本記事では、この「つまらない」と感じる意見を深掘りすることで、このゲームの真の姿を明らかにしていきます。
「ストーリーがひどい」「物語が単純すぎる」という批判は、FEエンゲージのレビューで最も多く見られる意見の一つです。なぜ、これほどまでに物語が酷評されてしまうのでしょうか?
FEエンゲージのストーリーは、「竜の王子/王女である主人公が、邪悪な敵(邪竜)を討伐するために仲間と力を合わせる」という、非常に古典的で王道的なファンタジー展開です。これは、かつてのFEシリーズの魅力でもありましたが、前作『風花雪月』が複数のルート、複雑な倫理観、そして登場人物たちの裏切りや葛藤を描き切ったことで、ユーザーの期待値が大きく上がっていました。
エンゲージの物語は、善悪が明確で、登場人物の動機もわかりやすいため、物語を深く考察したり、キャラクターの闇を覗き見たりする要素がほとんどありません。これにより、「勧善懲悪すぎて退屈」「物語に深みやカタルシスがない」と感じるユーザーが続出したのです。
仲間になるキャラクターたちの登場の仕方にも批判が集まりました。風花雪月では、時間をかけて生徒たちと交流し、その上で初めて彼らが戦場に立つという重みがありました。しかし、エンゲージでは、ほぼ全てのキャラクターがマップ開始時または終了時に「はい、仲間になりました」というテンポで合流します。
エンゲージの目玉である「紋章士」システムは、過去作の主人公たちが登場するという、シリーズファン感涙の要素です。しかし、彼らはあくまで「指輪に宿る霊体」であり、物語の本筋には深く関わってきません。物語の終盤においても、紋章士たちが物語の核心に切り込むようなドラマチックな展開は少なく、純粋な戦闘強化アイテムとしての側面が強いため、「せっかくの歴代主人公を活かしきれていない」と感じるファンもいます。
主人公「リュール」のキャラクターデザインや、その他のキャラクター全般のデザインも、「幼稚」「気持ち悪い」といった批判の標的になっています。これは主にデザインの色使いや、キャラクターの個性付けに関する意見です。
主人公リュールの髪色は、赤と青のツートンカラーという非常に挑戦的なデザインです。この極端な配色が、一部のプレイヤーにとって「安っぽい」「子供向けアニメの主人公みたい」という印象を与えてしまいました。また、セリフ回しも全体的に優しく、良く言えば「素直で純粋」、悪く言えば「幼稚」で深みがないという評価に繋がっています。
特に、戦闘後や拠点でのコミュニケーションは、プレイヤーに対してひたすらポジティブな言葉を返すことが多く、風花雪月のような人間臭い葛藤やブラックジョークを求める層には、「綺麗事ばかりで気持ち悪い」と受け取られてしまうことがあります。
リュールだけでなく、その他のキャラクターも、髪色や衣装が非常にカラフルで、極端に明るいデザインが目立ちます。これは、FEシリーズの持つ「戦争」というテーマとミスマッチを起こし、「お祭りのような雰囲気で、戦いの緊張感が薄い」という批判に繋がります。
「幼稚」と感じるユーザーの主な意見
FEシリーズの恒例として、リュールは男性(通称:男リュール)と女性(通称:女リュール)のどちらかを選べます。この選択で物語自体に大きな変化はありませんが、ファンの間では「女リュールの方が可愛い」「男リュールはデザインがしっくりこない」といった意見が多く、女リュールの方が総じて人気が高い傾向にあります。
これは、女リュールのデザインの方が、カラフルながらも愛嬌があり、全体的なキャラクターの雰囲気にマッチしていると感じる人が多いからのようです。
「戦闘は面白いけど、それ以外の要素がめんどくさい」という意見も非常に多く聞かれます。FEエンゲージは、シミュレーションRPGとしての戦闘システムは極めて高い評価を得ている一方で、その前後のパートにストレスを感じるプレイヤーが多いようです。
戦闘と戦闘の間に立ち寄る拠点「ソラネル」には、様々な施設やアクティビティがあります。
これらのアクティビティを行うことで、キャラクターの能力値が上がったり、絆レベルが上がったりとメリットがあります。しかし、戦闘が一段落するたびに、すべての施設を回って、すべてのキャラと会話するという作業が義務化しているように感じられ、これが「めんどくさい」「プレイ時間が無駄に伸びる」というストレスを生んでいます。
風花雪月の学園パートは、育成や交流に目的がありましたが、エンゲージのソラネルは、作業感が強く、ゲームテンポを阻害していると感じるユーザーが多いのです。
エンゲージシステム自体は戦略性を高める素晴らしい要素です。しかし、全ての紋章士の特性や、誰にどの紋章士を継承させるかという育成の複雑さは、ライトユーザーにとって「めんどくさい」と感じられる一因となっています。
特に難易度が高いマップでは、紋章士の能力を最大限に引き出す戦略を練る必要があり、これに慣れていないプレイヤーは途中で挫折してしまう可能性があります。カジュアルに遊びたい人にとっては、この奥深さがかえって重荷になってしまうのです。
ゲームの客観的な評価としてよく引き合いに出されるのが、海外のレビューサイトのスコアを平均化した「メタスコア」です。FEエンゲージのメタスコアはどうだったのでしょうか?
結論から言うと、ファイアーエムブレム エンゲージのメタスコア(批評家による評価)は、非常に高い水準にあります。発売当初は88点前後(100点満点中)を記録し、これは間違いなく「神ゲー」の範疇に入るスコアです。
批評家が高く評価したのは、主に以下の点です。
しかし、ユーザーレビューの平均スコア(ユーザースコア)は、メタスコアほど高くないことが多く、ここに「ストーリーやキャラクターに不満を持つ層」の意見が強く反映されています。つまり、「ゲームプレイ(戦闘)の質は最高だが、物語の質は低い」という評価の分断が、スコアにも現れていると言えるでしょう。
評価対象 | FEエンゲージ | FE風花雪月 |
戦闘/システム | ★★★★★ | ★★★★☆ |
ストーリー | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
キャラクターの深み | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
総合評価(体感) | ★★★★☆ | ★★★★★ |
結局のところ、「ファイアーエムブレム エンゲージ つまらない」と感じる人が最も比較対象とする前作『風花雪月』と、一体どちらが面白いのでしょうか?それぞれの作品の特徴を比較し、面白さのポイントを解説します。
この問いに対する答えは、プレイヤーがゲームに何を求めるかによって明確に分かれます。
『風花雪月』がおすすめの人
『エンゲージ』がおすすめの人
「つまらない」と感じる原因の一つに、プレイ時間の長さやボリューム感が合わないという点も挙げられます。FEエンゲージは、どの程度の時間でクリアできるのでしょうか?
FEエンゲージのメインストーリーのみを追った場合のクリア時間は、難易度やプレイヤーの習熟度によって変動しますが、概ね以下の通りです。
プレイスタイル | 難易度ノーマル | 難易度ハード |
メインストーリーのみ(ソラネルをほぼスキップ) | 約35~45時間 | 約45~60時間 |
ソラネルで全てのアクティビティをこなす | 約50~70時間 | 約70時間以上 |
ソラネルでの日常パートや、遭遇戦でのレベル上げを徹底的に行うと時間は伸びますが、戦闘マップの数自体は標準的であり、「超長編大作」というよりは「中~長編の戦略特化型」と捉えるのが適切でしょう。このボリューム感の物足りなさが、「ファイアーエムブレム エンゲージ つまらない」という評価に繋がることもあります。
ここまで、「ファイアーエムブレム エンゲージ つまらない」という意見の根拠を徹底的に解説してきました。最後に、これらの批判点を踏まえた上で、FEエンゲージが真に面白いと感じられるのはどんな人なのかをまとめます。
FEエンゲージの魅力は、すべて「戦闘」に集約されています。もしあなたが、
というタイプであれば、エンゲージは最高の作品になるでしょう。特にハード以上の難易度では、一手のミスが命取りになる緊張感があり、従来のFEファンが求めていた戦略性を堪能できます。
逆に、以下のような点をゲームに求める方は、エンゲージで物足りなさや「つまらない」という感情を抱く可能性が高いです。
FEエンゲージが合わない可能性のある人
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