バレーボールのメンタル強化法※メンタルが弱いとお悩みの方へ

この記事ではバレーボールの上達のための基本的で重要なメンタル的なことについてご紹介しています。
メンタル的なことは普段の練習の中ではあまり考えたことはないかもしれませんが、実はとっても重要なことなんです。

 

では、さっそく本題に入っていきましょう。

 

「毎日の繰り返される行き当たりばったりの練習」

このような練習ばかりをやってはないでしょうか?
このような練習ばかりをやっていると、チームや選手の成績ともに伸び悩むことになるでしょう。

 

これは練習だけでなく、試合に対する意識が低く、
明確な目標や計画性がないからです。
では、このような悪い状況から抜け出すためにはどうすればいいのでしょうか?

 

この状況に有効なメンタル使い方として、
「合理的な判断をする大人の自我状態」
と呼ばれるものをご紹介します。

 

○合理的な判断をする大人の自我状態とは?

冷静で論理的で合理的な部分があります。
事実を調べたり、人の話を聴き、客観的なデータなどに基づき、冷静に考え、判断・意思決定をします。
見通しをたて、計画性があり、効率的に行動する部分です。
一方で、打算的、機械的、冷たい部分もあります。

 

感情表現がないクールで打算的な人とみられ、話しにくい、相談しにくい、そんな風に人間関係の距離を置かれた、敬遠されるようなことがおこってしまう場合もあります。

 

リーダー、監督、指導者、キャプテンは特に必要!
ただ黙々といわれた練習だけをこなす選手。
試合中すぐにカッとなり、冷静さを失ってしまう選手。
試合になるとメンバーにまとまりなく浮足立ってしまうチーム。
計画性もなく非効率な練習を繰り返しているチーム…等など。

 

このような状況を改善できるメンタルの使い方が
「合理的な判断をする大人の自我状態」といわれるものです。

 

「合理的な判断をする大人の自我状態」は収集した情報を整理し、そこから問題点を見つけ出し、物事に優先順位を決め計画を立てて主体的に問題解決のために動く役割を担います。

 

より合理的で効率的な判断を下す、コンピューターのような役割です。
「今」「ここで」「何をするのか」「なぜするのか」「どうやってするのか」
を冷静に判断し、自ら動いたり、チームに対してわかりやすく説明し伝えたりします。

 

今、ここでお話したことは、「合理的な判断をする大人の自我状態」のプラスの側面で、
選手個人はもちろんのこと、特にリーダー、監督、指導者、キャプテンには必要不可欠な要素といえるでしょう。

 

アタック・サーブ・レシーブ・トス等といった多様な技術の上達やチームプレーの習得などには計画性があり、効率の良い練習が求められるのは当然です。

 

また、試合での勝敗はパニックになってしまったり、
あきらめてしまっていては勝てるものも勝てません。

 

だからこそ、どんなピンチの状況に陥ったとしても、その状況に応じたプレーや戦術を冷静に判断し、実行に移す能力が必要になるのです。

 

要するに、
「合理的な判断をする大人の自我状態」がなければ質の高い効率のよい練習や、そのとき、そのときの状況にあわせた作戦・戦術は難しいものになるのです。

 

過剰に意識しすぎるのには注意が必要!

 

しかし、この「合理的判断をする大人の自我状態」にはプラスの面もあれば、
マイナスの面もあります。

 

「合理的判断をする大人の自我状態」が強すぎてしまうと喜怒哀楽の感情表現が少なく、クールで冷たい機械のような印象を与えてしまうでしょう。

 

また、論理的で理屈っぽく、打算的な人と思われ、話しにくく相談しにくい人だというレッテルを貼られてしまうことも少なくありません。

 

そのために、チーム内やメンバー間でのコミュニケーションをとることが少なくなり、
人間関係に距離を置かれることになってしまう可能性が考えられます。

 

慎重に物事を進めていくあまり、複雑に考えすぎてしまったりと、リーダー的な役割を意識しすぎてしまうと頭でっかちになってしまい、うまく行動に移せない人と見られてしまうこともあるので注意が必要です。

 

あなたはどうでしょうか?
マイナス面にとらわれず、うまくプラス面を使うことができているでしょうか?

○「合理的な判断をする大人の自我状態」の特徴

プラス面

 

・冷静、論理的、客観的、計画的、情報収集、意思決定。
・数字などのデータを読み取り具体的に計画を立てたり、話したりする。
・「今」この瞬間にすべきことを判断し、行動する。

 

マイナス面
・機械的、打算的、冷たい、味気ないという印象を与える。
・感情表現が下手なため、近寄りがたく話しかけにくい、
相談しにくい等の印象を与える。

 

「合理的判断をする大人の自我状態」を高める方法

○プレー編
・現状の状態を分析し、問題点をあぶりだしましょう。
・選手、チームの課題をそれぞれ明確にします。
・長期・中期・短期・今日といった具体的な練習目標を立てましょう。
・練習の優先順位化、数値化、日程化、
役割分担などを具体的に決めていきましょう。
・練習目標達成のための細かい練習メニューを決め、実行しましょう。
・できるだけ練習の内容を数値化し、客観的に把握します。
・ノートを用意し、毎日の練習や試合などの振り返り作業を日誌につけましょう。
(良かった所、悪かった所、改善すること、いつまでに、どのように等)
・練習の前後に必ずミーティングを行いましょう。
(何のためにこの練習をどのようにするのか、練習の成果や改善点など)
・いろいろなピンチの場合を想定し、プレーを一度止め、
その状況に応じた判断を冷静に下す練習をします。

 

○日常生活編

・仕事や勉強などの生活習慣に優先順位をつける。
・数字や客観的データを使い、建設的、直接的な話し方をする。
・相手の話は良く聞くようにし、たまには「間」を置くようにする。
・質問する場合は「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」「何をするか」を聞く。
・日記やメール、手紙、ブログ等、文章化することを癖にする。

 

選手個人やチームで設定した目標達成のためには「合理的判断をする大人の自我状態」の機能が必要になってきます。

 

この機能が「足りないな」「もっと強くしたい」と思った選手は上に記述した方法を使ってトレーニングしてみてください。